KAZUKI YASUO MUSEUM

EXHIBITIONS展覧会情報 2017

画家の食卓
 2017年12月1日(金)~2018年3月26日(月)
画家の食卓


食材を描いた作品を数多く残した香月は、一時期“厨房の画家” の異名をとりました。
本展では、1950年代以降に描かれた食材を中心に紹介します。
食材のある風景や、魚、肉、野菜、果物といった食材そのものの絵からは、香月家の台所事情が垣間見えるようです。
一方で「主人が青いトマトが描きたいといえば植えました」という婦人の言葉からは、自らの意思で描きたい対象を選んでいたことが伺えます。
食材を描き続けた時期は、シベリヤ抑留から復員した後の1950年代に集中しています。これは、抑留時に餓えをしのぐため、 野草などを探して食べる「生きるための食」の経験の発露とも考えられるでしょう。香月の描いた食材たちをご堪能ください。

平和の形
 2017年7月28日(金)~11月27日(月)
平和の形


香月泰男は1943(昭和18)年4月に召集され、満洲(現 中国東北部)のハイラル市に配属されました。終戦後はソ連軍によりシベリヤに抑留され、 帰国できたのは1947(昭和22)年のことです。 この戦争、シベリヤ抑留の記憶を描いた「シベリヤ・シリーズ」※は、香月の代表作であり、平和への祈りが込められています。
本展では「シベリヤ・シリーズ」とともに、ハイラルから家族へ宛てた「ハイラル通信」、戦後、故郷で過ごした平和な日常を描いた作品を紹介します。
香月泰男の生涯に多大な影響を及ぼした戦争。その中で画家がどのように生きたかを探るとともに、香月の平和への思いに触れてみましょう。
※香月はシベリアを「シベリヤ」と呼んでいました。当館では香月のことばを使い「シベリヤ」としています。

季節を彩る花々
 2017年4月21日(金)~7月24日(月)
季節を彩る花々


香月泰男は1911(明治44)年、現在の山口県長門市三隅に生まれた画家です。32歳で応召、旧満州で終戦を迎えましたが、終戦後はソ連軍によりシベリヤに2年間ほど抑留され、帰国できたのは1947(昭和22)年のことでした。
帰国後の香月は、故郷である三隅の地を拠点に創作活動を続けました。そのため、彼が描いた作品の中には、故郷に息づく 植物や虫が多く登場します。また、香月は晩年には頻繁に海外を訪れ、旅先で見つけた風景や植物を多く描きました。
本展では、香月が故郷や旅先で見つけた“季節を彩る花々”をご紹介します。身近で、素朴な花々の姿は、見る人に温かな 感動を与えてくれることでしょう。

画家・香月泰男のことば
 2017年1月20日(金)~4月17日(月)


香月は画家として絵を描く一方で、「おもちゃ」と呼ばれる廃材を利用したオブジェ制作、萩焼への絵付け、書籍の挿絵など幅広い創作活動を行い、膨大な量の作品を残しています。そして作品だけでなく、彼のことばについても実は多く残されているのです。
それは、戦争・シベリヤ抑留の記憶を描いた、彼の代表作でもある「シベリヤ・シリーズ」に付された自筆解説文や、雑誌、新聞に掲載されたコラム等です。 それらのことばからは、香月の体験、その時々の心情が伺えます。
本展では、それらの香月が残したことばの中から、 作品制作当時の心境や香月の人間性が伺えるものを作品と一緒にご紹介し、彼の生き様へ迫っていきます。
香月泰男の新しい一面が見えてくることでしょう。