香月泰男の生家のすぐ前を流れる三隅川沿いに開けた山紫水明の町、長門市三隅。その中央にある温泉郷の丘陵に位置する『香月泰男美術館』は、自然豊かな山陰の風景とみごとに調和して建っています。
『ここが〈私の〉地球だ』と言ってふるさと三隅をこよなく愛した香月は、生涯故郷を離れることなく人間愛と平和をテーマに創作活動を続けました。 彼の作品の多くは、長年香月家で大切に保管されていました。当美術館は、ご遺族よりそれらの
作品の寄贈を受け、1993(平成5)年に開館しました。初期から晩年までの油彩画、香月独特の墨を使った素描画、廃材から生まれた「おもちゃ」と呼ばれるオブジェなど、多様な作品を収蔵しています。
戦後日本美術史を代表する洋画家。1911(明治44)年、山口県大津郡三隅村(現・長門市三隅)に生まれる。第2次世界大戦後のシベリヤ抑留の体験をもとにした57点の油彩からなる《シベリヤ・シリーズ》が代表作。 生まれ育った三隅の地で亡くなる直前まで創作活動を行った。ふるさとの自然や愛する家族を題材とした絵画や、廃材を利用して作った「おもちゃ」と呼ばれるオブジェも人気を博す。
当館は、油彩、素描、“おもちゃ”と呼ばれるオブジェなど、香月家で大切に保管されていた作品を所蔵しています。その中から一部を紹介します。
《兎》1939年
《朝》1949年
《ハムとトマト》1953年
《鳩と青年》1954年
《瀬》1962年
《一九六九.七.二〇の月星》1969年
《ママごと遊び》1969年
《カサブランカへ》1973年
《シャルトル》1974年
《雪の朝》1974年
没後50年香月泰男 関連情報
開催中の展覧会
没後50年香月泰男 第三期 1966→1974
会期:2024年10月11日(金)
▶2025年1月13日(月・祝)
黒の表現に色彩が戻り始める1966年から晩年までの香月作品を紹介します。